web小説、はじめました。

ふと思うところがあり、実験も兼ねてweb小説の執筆を開始しました。
こちらです。

妹が、世界を壊す前に

やってみて分かったことですが、プログラミングと小説の執筆活動は似ている!
そう、文系エンジニア、と呼ばれる人たちがいるのは必然だったのです。

小説執筆とプログラミングの関係

プログラミングから話しますが、プログラミングは何か実現したいものがあります。それを達成するために、どのクラスがどうあって、その関心と責務は、と登場人物を設計し、それらがきちんと整合したときに正常に動作します。

対して小説。これは主題の提示があり、それをきちんと回収するために物語が進行していきます。登場人物が動き回り、世界が構築され、それぞれがきちんと役目を果たした時、物語が完結するのです。

あ、これ、一緒だ!と思い、試しにweb小説を連載してみました。何だか上手く書けている気がしているので、是非読んでみてください。

いもこわの構成

タイトルが長いので、省略して、いもこわ、と呼ぶことにします。ハッシュタグでも

#いもこわ

と書いていただければ私に届きます。

妹が、壊す、と、妹が、怖い、のダブルミーニングにもなっていて良いなと思っています。

さて、この作品は、明確に交響曲の楽章構成を採っています。
起承転結でも序破急でもなく、楽章構成です。
第一楽章は、主題の提示を行っています。
ソナタ形式です。アレグロです。

ラノベ調の軽快なテンポで演奏されます。
ラノベ調のテンポにのって静かに始まり、不穏な音が混じりながら主題を提示して何度かの転調が入ります。
最後に主題の再提示と爆発的な余韻を残して幕を下ろします。

第二楽章は、この記事を書いている時点ではまだ途中なのですが、全体としては静の楽章、緩徐楽章です。
第一楽章での強烈な主題の提示に対して、それを静かに感じさせる楽章です。第一楽章の余韻を、各国の聞いた残響を感じていただければ幸いです。

創作背景

何をやろうとしたのか、から説明します。

私の大好きな作家である、川端康成の語らずの美、日本文学における静の美の極北を、妹と魔法のファンタジーで表現しようとしたところから始まりました。
え?無理でしょ、と思ったあなた、正解です。

この静の美を表現するにあたり、どういう構成ならそれが成立するかを考えました。私の導き出した答えは、休符です。そう、ここで楽章としての構想が生まれ始めます。

もう一つ、現在の流行りの、主題即回収、あとはノリだけで進んでいく、似たようなテンプレ作品に対するアンチテーゼとして、きちんと物語として主題を回収して終わる作品を目指しました。いや、目指している、と言う方が正しいですね。まだまだ執筆中です。

また、あの頃の作風、として、00年代に流行ったバトルロイヤル形式、それぞれがそれぞれの正義を胸に抱いて戦う物語が最初のプロットです。イメージとしては、仮面ライダー龍騎や、Fate/stay nightあたりです。思想的にも当初はそれらと同じく、ニーチェ的な思想を取り入れたものを考えていました。で、お兄ちゃん大好き最強最恐最狂妹と、妹を止めるためだけに参戦する兄で、最終バトルは兄妹対決、の様な構想だったのですが、バトルロイヤルを引き起こすための舞台装置が思い付かず、破綻しました。ここで言う舞台装置とは、Fateで言う聖杯です。因みに、お兄ちゃん大好き最強最恐最狂妹の元ネタは DUEL SAIVIOR と言う、またまたあの頃の作品から来ています。

舞台装置が思い付かないなぁ、遺跡で古代文明でも起動してもらうか、と思いながら、誤読を誘うラノベのノリで物語を書き始めたところ、何か勝手に登場人物が動き出し、あんな形の第一楽章が紡ぎ出されました。帝国、滅ぼす気なんてなかったのに……。寧ろ後半部での重要な役割を担うつもりだったのに、勝手に動き出した最強最恐最狂妹が、見事に一晩で全部壊してくれました。

伝えたいこと

改めて、いもこわは楽章構成を採っています。胸の中で奏でられるオーケストラの音の響きを頼りに、物語を紡いでいます。音楽的構造を持つ文芸作品は数あれど、楽章構成を明確に持った文芸作品はぱっと思いつかないです。なので、その解説が必要だと思い、この記事を書きました。

最後に

もし、いもこわを読んだ後に、あなたの胸に残響が残ったなら、それをそっと響かせてください。

#いもこわ

のハッシュタグでそれを共鳴させてください。
この物語が奏でる音に、あなたの感じた響きをのせてください。

どうぞ、『妹が、世界を壊す前に』をよろしくお願いいたします。

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カテゴリー: 雑記

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